電子ビーム溶接ではタングステンの溶接が可能です。
他の溶接方法では困難ですので、溶接構造を検討している場合は、
電子ビーム溶接を念頭においての設計が必要です。
設計時のワンポイントですが
溶接回数を極力減らす。
これが最も重要です。
理由は、タングステンは再結晶温度以上になると、どんどん結晶粒が
粗大化してしまい、脆くなるからです。
下の写真は、条件設定で使用した1mmのタングステン板ですが、
3回ビームを照射した後、机に軽くぶつけたら割れてしまいました。
もちろん、熱を加える前はかなりの衝撃でも割れません。
また、タングステンは熱処理による靭性の回復が難しい材料ですので、
強度を確保するには熱を入れない工夫が必要です。