設計段階で溶接の際に発生する歪みを抑える事ができる方法を幾つか挙げます。
・溶接の深さを浅くする。
・溶接のビード幅を細くする。
・ワークを大きくする。
・溶接箇所を散らす。
・ワーク間の隙間を減らす。
〇溶接深さ、ビード幅
ワークに入る熱量を抑えることは、非常に効果があります。
電子ビーム溶接では、溶接深さが安定していますので必要分以上に
深くする必要はありません。
また、溶融部は溶けている間は膨張し、冷えると収縮します。
このため、大きく溶かすと冷えた際に引っ張られて歪みが大きくなります。
〇ワークを大きくする
単純に全体の剛性を強くして歪みに強くする他に、微細なワークでは
ワークの熱容量を増やす事によって、熱上昇を抑えることができます。
特に銅やアルミなど熱伝導の良いワークで効果的です。
〇溶接箇所を散らす
近い場所に溶接部が集中すると、曲がりが大きくなります。
できる限り溶接部を離した方が局部的なゆがみを防げます。
〇ワーク間の隙間を減らす
隙間部分にはワークが溶け込みますが、その分は周りの母材が
溶けて入り込んだものです。ビード幅と同じように大きく溶かすと
大きく歪みます。